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2012年10月16日 (火)

先生、これはやばいですよ

http://mainichi.jp/select/news/20121016k0000m040131000c.html

今話題のモンスターペアレントですが、学校に法外な要求をして、それを押し通そうとする親がいますね。先生方も対応に苦慮されているでしょう。自分の要求を通すために、恫喝や脅迫までするという、ほとんど犯罪に近い手口で学校に言うことをきかせる。昔のヤクザみたいだと思います。今の世の中、ヤンキー文化に親和性があると言われていますが、昔ヤンキーだった人以外でも、親になると、ヤンキー化するみたいですね。モンスターペアレントについては、また機会を改めます。

今回は、その対応をする先生方が話題です。この記事の先生は、モンスターペアレントを多数抱える担任なんでしょう。日ごろから不当な要求をされて、でも右から左にするわけにもいかず、対応に苦しんでおられるのでしょう。そんな親との個人面談ですから、緊張もするし、無事終わったら、ほっとするでしょう。わかります。

では、この事件?では、何が問題なのでしょうか。どこの学校かも明らかにしていないし、保護者を特定しているわけでもないし、一先生の飾らない言葉で、ほほえましくも思うのですが。

記事にある「保護者を中傷した」との書き方を見ると、実は彼女のクラスにはモンスターペアレントはいなかったのではないかと思えます。「中傷」と言い切るあたり、本当はそうではないのに、あたかもそうであるかのように彼女が書いているような意味ですね。これは、モンスターペアレント問題を考えるのに大きなポイントが隠されています。つまり、モンスターペアレントは、自分がそうであることに気付いていないということです。自分の主張が正しく、それを強く通そうとするのは当然のことであると信じきっているから、たとえそれが法外であっても、押しとおすことができるのです。だから、そういう人に、あなたはモンスターペアレントだといっても、理解できないでしょう。そんな親たちがこれを見たら、自分のことを言われていることがすぐにわかりますから、そりゃ反発しますね。自分たちは悪くない、悪くない自分たちをモンスター呼ばわりするとは何事だと。

さらにもう一つ、大きなポイントがあります。それは、モンスターペアレントと呼ばれたくなくて、正当な要求なのに主張できなくなったいる親がいることです。学校がしていることに納得できない、でも、それを言うと、モンスターにされてしまうかもしれない。自分の主張の正当性が揺らいでしまうんですね。本当はもっと気軽に先生と付き合えればいいのですが、この言葉によって、先生と保護者の間に大きな壁を作ってしまいました。

日本人は、昔から善悪や正邪は、絶対的な基準を設けてそれに照らし合わせて、といった西洋的な決め方をしていませんでした。なんとなくある世の中の基準、今よく言われる常識というやつです。それに照らし合わせて判断する。その常識というやつは、実は実体がない、流動的で、イメージの産物です。みんながそのイメージを共通していれば問題ないのですが、どうもそうではないようで、自分の頭の中のイメージでその言葉を定義して、それに従って判断しています。この、イメージを共有していないことが、モンスターペアレント問題を複雑にしている根本にあります。法外といっても何が法外で何がそうでないか、明確な基準はありません。主張の仕方についても、どうすればいいか、わからないのです。そんな保護者がこれを見れば、自分のことかもしれない、と余計に先生にモノを申すことができなくなってしまいます。壁は大きくなるばかりです。

今回のこの先生は、軽率だとしか言いようがありません。懲戒の対象になってもおかしくないでしょう。自ら保護者との壁を大きくしてしまったのですから。先生はソーシャルメディアに発言するなとは言いません。逆に、もっと発言してほしいです。ただ、やはり自分の発言に対して、世の中はどう反応するか、その反応にどう応えるか、そこまで考えて発言すべきです。特に今回のような、直接自分のクラスに関わること、モンスターペアレントというセンシティブな言葉を使うことの場合は、十分すぎるぐらいの用心をして発言すべきです。軽いノリで、こんな大きなことを書き込むのは、思慮分別がない若者と同レベルです。先生なんだから、とは言いたくないですが、あまりにも軽率すぎて、ネットを利用するレベルに達していないなと思えます。

モンスターペアレント。僕は嫌いな言葉です。人をばけもの扱いするような感覚で教育を語るべきではありません。だから、先生が使っていい言葉ではありません。この先生には、猛省ののち、ネットの影響を十分理解してから新たに出発してほしいです。

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