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2013年8月12日 (月)

栄養学的に子どもに必要な栄養を取らせるのは学校の責任であるのか?

最近の子どもの食生活が乱れているとの報道が多いですね。ファストフードやスナック菓子ばかり食べて、体の成長だけでなくこころの安定もおびやかされている旨の主張です。たしかに、肥満の子どもが増え、いわゆるキレる子どもも目立ってきました。そういう子どもが増えた原因が、食生活であるとのことです。ここでは、その報道が正しいのかどうかは考えません。その報道を根拠に、学校給食で「残さず食べなさい」指導をするのが妥当かどうかを考えます。
子どもに栄養豊かな食事を用意するのは、大切なことです。これには異論はありません。食事が体やこころに大きな影響があるのは事実でしょう。あやゆる栄養素をまんべんなく摂る。そんな食事が理想ですね。そこで、だから「残さず食べなさい」と言われると、それは違うだろうと思うのです。
食べられないとはどういうことかは、先に考えました。普通に考えて、体が拒否しているものを体に入れるのは、健康的な食事でしょうか。こころが拒否する場合も同じです。嫌だと拒否しているものをムリやり口に入れるのは、こころに多大なストレスをかけます。嫌いなものをムリやり食べさせられて、よけいに嫌いになったという人もおられるでしょう。こころにとっても、ムリやりはいけないのです。
栄養学の主張だけで指導を考えてはいけません。栄養学は、健康のみを考えます。しかし、食事は文化でもあります。その民族の伝統や宗教などに深く影響を受けています。たとえば、東南アジアでは昆虫を食べますね。昆虫は、高タンパク質低脂肪で、未来のタンパク源と言われています。だから、給食に出していいのでしょうか。昆虫を給食に出したら、それはすごい抗議がくるでしょうね。でも、栄養学的には優秀な食物です。いかがですか?食事が栄養補給のためだけではないことがおわかりいただけるでしょうか。
文化や宗教を尊重するなら、その文化や宗教は個人的なものですから、食事も個人の選択を重んじるべきですね。だとすると、何をどれだけ食べるか、子どもが選ぶわけですから、「残さず食べなさい」指導は、成り立ちません。食事の強要は個人の人権を侵害します。

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