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2013年12月 8日 (日)

特定秘密保護法案が教育に与える影響

特定秘密保護法案が可決しました。この法律は、国家機密にアクセスした・アクセスしようとした「国民」に罰則規定を設けました。これが教育にどう影響するか考えてみました。

教育の場では、「どう考えるか」、ものごとの考え方を学びます。その考える方法を学ぶためには、まず考えるネタを集めてこなければなりません。たとえば、関西地方の気候について考える場合、降水量とか気温変化とか、関西地方の気象データを集めてこなくてはなりません。ここで。先生が気温が高かった時のデータや北海道都の比較データしか生徒に与えなければ、生徒は関西地方は暑い地方だと考えるでしょう。無理もありません。だって、人間は与えられたデータからしか考えを導き出すことはできないからです。

ところで。あれ、関西地方に行ったとき寒いと思ったぞ、と考えた生徒もいるでしょう。そこでその生徒は、寒方かった時のデータや沖縄地方のデータを探そうとします。しかし先生が、それらのデータにアクセスすることを禁止したとします。すると、その生徒は自分の考えを実証することができません。実証できなかったら、自分の寒かったという判断は、間違ってたということになってしまいます。

もうおわかりでしょう。ほんとうは、自分の考えを実証し発表することで市民としてのスキルを磨いていくべき学校で、先生が用意したデータのみを使用し、先生が用意した結論にしか行かない考えを巡らせるしかできないことをしていたら、結局先生の思う「総意」しか出てこないクラスになってしまいます。

しかし、この法律では、国家機密を知ろうとしたら処罰されるんです。それが、機密であると知らなくても、です。さきほどあげた気候のデータですが、これ、軍事機密になる可能性があります。戦時中は、台風の情報は国民に知らされませんでした。台風が来ることが敵にしれたら、です。ですから、学校では生徒を危険にさらすことは教えられませんから、とにかく政府から与えられた情報しか使うなと言うしかありません。

今も、政府の検定済み教科書を使うことになっていますが、そのうち国定教科書に移るかもしれません。いや、副読本も先生の作ったプリントも、すべて検閲されるかもしれません。だって、その情報が機密だったら。先生だけでなく生徒も処罰対象です。政府は、その内容が「安全」であることを保障する「責任」がありますから。

そして、生徒が自主的に情報を集めることも禁止する。民主主義のシステムの担い手を育てる教育基本法の精神が踏みにじられます。ほんとにこれでいいのでしょうか。

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