« 京都市岩倉図書館絵本読み聞かせしてきました!! | トップページ | 保育の専門性~おむつがかえられたら先生になれるの?准保育士に思う »

2014年4月13日 (日)

「同調圧力」から見る、先生の働き方~なぜ先生は自分の子の入学式に出席してはいけないか

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140411-00010005-saitama-l11

1年生を担任することになった高校の先生が、自分の子どもの入学式に出席するために自分の学校の入学式を欠席したことが問題になっているようです。

最初この話を聞いた時、何が問題になるのかさっぱりわからなかったのですが、この記事に出会って腑に落ちました。なるほど。そういうことかと。

「教員としての優先順位を考え行動するよう指導する」とする教育長の言葉。

つまり、自分の家庭よりも学校の仕事を優先しろと言いたいんですね。たしかに、先生は、自分の家庭よりも学校を優先するように圧力がかかっています。自分の子どもが熱を出しても、先生は休みづらいのです。授業に穴をあけるとはなにごとだと。うちの嫁さんは小学校の先生なんですが、子どもが熱出して保育園休まなければならなくても、まず休めません。シッターさんを雇うことになります。ちなみにこのシッターさん、高いんですよねえ・・・うちは安い業者さんに頼んでいたのですが、1時間1700円でした。1日軽く1万円を超えます.3日休めば3万円。仕事休めればなあ、なんて思いましたよ。

子どもが病気でも休めない、ましてや入学式ですから。これは、ありえない話だと考えてもおかしくないですね。

この記事についてはいろんな方面からの言及がありますが、ここでは「同調圧力」をキーワードに考えてみます。「同調圧力」とは、自分が所属する集団に同調することを要求される力のことです。友達集団や学級集団、職場集団など、人はいろんな集団で生きています。集団に所属し続けようとすると、その集団にどれくらい忠実であるか示す必要があります。

例えば、友達集団に所属し続けようとすれば、友達に「自分はあなたたちと友達である」アピールをしなければなりません。友達同士でどこか遊びに行こうという話が出たとしたら、都合をつけて一緒に遊びに行かなければなりません。一緒に行かなければ「つきあいが悪い」とか、「自分たちの友情を軽く考えているのではないか」とか思われます。ですから、その友達集団に居続けたければ、何とかスケジュールをやりくりして一緒に遊びに行けるようにはからわなければなりません。

先生集団は、この忠誠心のアピールを強く求められます。「自分はまじめに仕事をする人間です」を、学校の都合を優先することでアピールします。先生の仕事がブラック化していますが、先生はちゃっちゃと仕事して早く帰ると「早く帰るのは仕事をしていない証拠」と考えられ、そう思われると先生としての評価が落ちるからです。これは、僕が学校の先生をしていた時に痛切に感じたことです。

ですから、当然、自分の家庭を犠牲にすることで、先生集団への忠誠心を強くアピールする発想がでてくるでしょう。「自分の家庭を犠牲にしてまで先生集団のことを考えているんですよ」と。

この自己犠牲による忠誠心。これは灰谷健次郎あたりから、あるべき先生の姿、美徳として宣伝されてきたように思います。身をなげうって子どものために尽くす先生の姿。だから社会は、先生集団への自己犠牲の姿を見て先生の評価をします。そして、その社会の評価がまた先生を縛り付けます。自己犠牲を強要するスパイラルの強化です。

そう考えると、教育長の発言は学校と社会が先生を縛っているものが何なのかを示していると言えます。そろそろ、灰谷健次郎から卒業しなければ、先生は家庭を保つこともできなくなります。そして僕は、自分の家庭を大切にできない先生は、尊敬することはできません。

「同調圧力」からの解放。先生を先生として尊敬できるために、考えていきたいと思います。

« 京都市岩倉図書館絵本読み聞かせしてきました!! | トップページ | 保育の専門性~おむつがかえられたら先生になれるの?准保育士に思う »

教育問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/583405/59459549

この記事へのトラックバック一覧です: 「同調圧力」から見る、先生の働き方~なぜ先生は自分の子の入学式に出席してはいけないか:

« 京都市岩倉図書館絵本読み聞かせしてきました!! | トップページ | 保育の専門性~おむつがかえられたら先生になれるの?准保育士に思う »