ルールとマナー

2013年8月 8日 (木)

「ルール」と「マナー」

「ルール」と「マナー」の違い。いかがですか?

昔の倫理学者は、行動の評価を5段階に分けました。これは、今でも倫理学の基礎になっています。それは、

「してはならない」

「しないほうがよい」

「どちらでもよい」

「したほうがよい」

「しなければならない」

です。「ルール」と「マナー」が、これらのどれに当たるか、考えてみましょう。

「ルール」は、規則です。「しなければならない」または「してはならない」です。多くの場合法律によって決めまれています。これは、その社会にいる人は必ず守らなければなりませんし、守らなかったら罰則がある場合もあります。「交通ルール」は、その代表でしょう。車は左側を走ることになっていますね。そうしなかったら、みんなが好きな方を走って正面衝突してしまいます。左側である必要はないでしょうけど、左と決まっているから、みんなそれに従っている。それでうまくいっています。

「マナー」は、「したほうがよい」または「しないほうがよい」です。規則で決まっているわけではないのですが、時と場合によっては従ったほうがうまくいくといったものです。マナーで思い出すのが、「テーブルマナー」です。ナイフとフォークをどう使うか。本当はどう使ってもいいのですが、一応決めておけば、迷うこともないし、他人を不快にすることもないだろうといったことです。ですから、今の日本でも、外務省式とか小笠原式とか、いろんなテーブルマナーがあり、日々変わっています。

「ルール」は、個人の行動をきつく縛ります。個人の考えを受け入れず、上から強制するイメージです。「マナー」は、ルールに比べると、いくぶんやわらかです。その通りにしたほうがいいけど、そのとおりにしなくてもいいよ、といったニュアンスです。テーブルマナーも、本人がそうしたかったら左でナイフを持ってもいいのです。それでレストランを追い出されることはありません。

この、「ルール」と「マナー」を混同してしまうと、うまくいかないことがあります。「ルール」は個人をきつく縛るものである以上、それなりの理由が必要です。車の左側通行も、どちらか決めなければうまくいかないし、それをみんなが守らなければならないから、「ルール」になっています。一方、ナイフを右で持つのは、その方がうまくいくけど、別に左で持っても問題がないから、ルールにしていないのです。これをルールにしてしまう、つまり、誰しもが右でナイフを持たなければならないとする理由はあるでしょうか。別に不都合もないし。人の行動を縛るのは、その人の人権を縛ることになりますから、しっかりした必要性と理由がなければなりません。

つまり、「ルール」にするには、「ルール」にする必要性、理由などをしっかり考えて、慎重にしなければならないのです。「そのほうがいい」と「しなければならない」はしっかり分けて考えて、運用しなければなりません。これは、学校でも言えることです。先生の指導の中には、この区別ができていないことがわりとあると思います。